令和5年度愛知県公立高校入試のマークシートによる問題と解答用紙の例
こんにちは。
緑区の塾、個別指導さくら予備校の塾長です。
さて、愛知県教育委員会より、令和5年度愛知県公立高校入試の学力検査問題と解答用紙の例が公表されましたね。
全体の内容を見て、まず思ったのが、
出題形式は例年と大きく変化はありませんが、
平均点はあがるかもね
という感想です。
それでは、各教科見ていきましょう!

国語
今年度からマークシート方式に変わったことで、問題に変化が出た部分は2ヶ所あります。
これまで記述で答えていた「要約問題」と「漢字の書き取り問題」です。
ではどのような問題形式に変わったのか、昨年度の問題と比較しながら見ていきます!
①要約問題
まずは早速問題を比べてみてみましょう。


昨年度までは、字数制限の中で指定語句を使って要約するという問題形式でしたが、
マークシート方式では、すでに要約されている文章への評価に対して、適当なのかそうではないのかを判断する形式へと変化しています。内容一致に近い選択問題になりました。
自ら本文を整理して文書にまとめるという形式に比べて、マークシート方式の方が少ない時間で解くことができるようになると考えられます。
「要約問題は時間がかかるから最後に解こう」→「時間がなくて解ききれなかった」という事態が少なくなるため、この部分は点数がとりやすくなりそうですね。
②漢字の問題
漢字の読み取り・書き取り問題はこのように変化しました。


漢字の読み取り・書き取り問題ともに、正しい答えを4つの選択肢の中から選ぶ方式に変わりました。
内容としては、読み取りの問題は、単に読み方を答える形式ではなく、意味を問う問題に変わっているので、漢字自体の意味をしっかり理解していないと選びにくい形式になりました。
一方で、漢字を書く問題では、採点者によって正解かどうかが変わるということは防げるので、点数はとりやすくなったと考えられます。
社会
社会で問題形式に変化があったのは、「歴史の記述問題」と「公民の語句問題」の2ヶ所です。
早速どのように変わったか見ていきましょう!
①歴史の記述問題


これまでは、歴史上の出来事について、字数制限がある中で指定語句を使って記述するという問題でしたが、
マークシート方式では、3つの選択肢から正しい内容を選ぶ形式に変わりました。
愛知県の正答率で見ると、昨年の問題の正答率は26%と、多くの受験生が苦戦していました。
選択式に変わったため、まとめる時間や記述に要する時間も少なくなり、正しい知識があればしっかり選ぶことができるかと思います。
②公民の語句問題


これまでは、「語句を答える記述問題」と「内容に関する選択問題」がセットになって出題されていましたが、
マークシート方式では、内容に関する選択問題のみに変わりました。
こちらの問題の昨年の正答率は55.5%となっており、5割を超えてきていますが、選択問題のみになったことで漢字でのミスはなくなり、解きやすくなるのではないかと考えられます。
英語
さて、英語はマークシート方式に変わったことで大きく問題形式が変わったところが3ヶ所あります。
それに伴って、点数がとりやすくなるのではないかと予想されます。
それでは1つずつみていきましょう!
①英作文問題
筆記試験最初に出てくるのはこの英作文問題です。


これまでは、語数指定の中で指定語句を使って英作文をするという形式でしたが、
マークシート方式では、「対話が成り立つように適切な文章を選ぶ問題」、「文章が正しい語順になるよう並び替える整序問題」という形式に変わりました。
この大問1の英作文問題、昨年の正答率は①の部分が78%、②の部分が42%となっており、特に②の部分で点数を落とす場合が多くみられました。
マークシートになることによって、単語のスペルでのミスはなくなるため、選択はしやすくなるかと思います。
ただ、整序問題は「語の選択」と「語順」という2つが問われているので、熟語や文法の知識は変わらず重要になってきます。
②適語補充問題
そして、大問2の適語補充の問題もこのように変わりました。


これまでは、指定された頭文字から始まる語句を記述する問題でしたが、
マークシート方式では、4つの選択肢から選ぶ問題に変わりました。
この大問2の昨年の正答率は、①が45%、②が20.5%、③47%となっており、半数以上の受験生が点を落としているところでした。
しかし、選択式になったためスペルミスで落とすことはなくなり、文脈から判断して選びやすくなったと考えられます。
③適語補充問題その2
こちらは、大問4の(4)で筆記試験の最後に出てくる適語補充問題です。


これまでは、XとYに当てはまる語句を記述する問題でしたが、
マークシート方式では、XとYに当てはまる語句の組み合わせを正しく選択する形式に変わりました。
こちらも正答率で見ていくと、昨年のXの正答率は27.5%、Yの正答率は53.5%となっており、点数を落としやすい問題の一つでした。
しかし、完全選択問題になったことで文脈からも判断しやすく、消去法で考えることもできるようになるため、点数はとりやすくなると考えられます。
これまで、正答率が低かった部分が軒並み選択式になったため、全体として点数はとりやすくなるのではないかと考えられます。特に上位校を狙う方々は高得点が狙いやすくなりましたね。
以上、令和5年度愛知県公立高校入試、国語、社会、英語のマークシートによる学力検査の問題と解答用紙の例の考察をしてみました。
いかがだったでしょうか。
次週は、数学と理科の考察をおこなっていきたいと思います。
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